2013年5月30日木曜日

LV-1.0 (6) ファームウェアの話

今回はLV-1.0のFW(ファームウェア)の話です。
LV-1.0にはSMBM基板のシステムマイコン(LPC1343)のFWとUSBIM基板のFXマイコン(USBマイコン)のFWがあります。
(これとは別にFPGAの回路プログラムもありますが今は割愛します)

LV-1.0はマルツパーツから購入できますが、初期インストールされているFWはトラ技オリジナルFWは入っていません。マルツFWがインストールされています。
FXマイコンはトラ技FWのみですが、システムマイコンはマルツ製とトラ技製の二種類あります。

トラ技のLV-1.0のFWページ
マルツパーツのLV-1.0のFWページ
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ちなみに上記トラ技のFWページですが「PCコントロール・ソフトウェア」の
ダウンロードリンク先が間違っています。

 FPGA書き込み機能限定版
 http://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/download/2012/lv1/soft/LV10_20120110.zip
 画面設定機能付き版
 http://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/download/2012/lv1/soft/LV-1.0_20120130.zip

 が正しいようです。
※本情報はマルツパーツ様にお教え頂きました
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何がチガウかというと・・・
トラ技FWは現在(2013/5)もソースコードが公開されていません。
マルツFWはソースコードが一式公開されており開発環境を構築すればユーザが自由に改変出来るようになってます。
動作的にはトラ技FWの方がOLEDの表示などがリッチです。マルツFWはシンプルな表示です。
細かい部分では動作が違いますが、機能操作はどちらも同じ事が出来ます。

システムマイコン(LPC1343)の開発環境の作り方はこんな感じです。

1.LPCXpressoのインストール
  LPCXpressoのインストールと登録はトラ技のHPで紹介されています。
2.LPCXpressoを起動してImport ProjectでマルツFWを登録します。

3.LV-1.0の他にCMSISv1p30_LPC13xxが必要なので
  \lpcxpresso\Examples\NXP\LPC1000\LPC13xx\CMSISv1p30_LPC13xx.zip
  もProjectに追加します。

4.Full Buildしてみてエラーが無ければOKです。
  Buildが正常に出来ればDebugフォルダにLV-1.0.binが出来るはずです。
  ソースいじる環境ができました。

システムマイコンのFW更新は、SMBM基板のジャンパーを差し替えてUSBを繋ぐとUSBメモリとしてPCからアクセス出来るようになります。(システムマイコンはUSBバスパワーで動作可)
中にFirmware.binがあるので削除してから上記環境で出来たLV-1.0.binをコピーします。USBを外しジャンパーを戻して電源を投入すると自動でFWが書き換わります。便利です。

興味のある方は是非環境整えてマイコンFW改変にチャレンジしてみて下さい。
C言語が少し分かれば誰でも簡単にいじり回せますよ!


それにしてもトラ技のLV-1.0ページは放置が酷すぎませんか・・・?
ソースコードはいつまでたっても公開されないし、上記リンクすら直そうとしません。
そもそもトラ技のHPは連絡用のメールアドレスすら無いので指摘も出来ないんですよね。
わざわざ手紙とか書いてやってられませんし。困ったもんです。

2013年5月29日水曜日

サラウンドヘッドホン (3) DR-GA500のプロセッサボックス

DP-GA500ですが中身はどうなってるのでしょう。
分解してみました。
外観はこんな感じ。比較的小さいです。
裏面。ゴム足が貼ってあるのでこれを剥がすとビスが4本あります。
手前に支点に後ろを持ち上げるようにして上蓋を開けます。
基板が出てきました。
中央下のシールドボックスは半田を外さないと取り外せないので今回はパス。
中にDSPチップが入ってるはずなので後日分解してみます。
上の7.1chのアナログ入力付近に並んでいるのはPCM1808です。
ステレオA/Dコンバータで7.1(8)ch分をまずここでPCMに変換しているようです。(4つ)
右の方のはC-MediaのUSBコントローラ。普通の2chUSBオーディオチップのようです。
(ピンぼけで型番が見えません。申し訳ない)
金属部囲われた部分の右側。なじみの無い型番のICが並んでいます。
左上のICはLC89052TAでデジタルオーディオレシーバです。
パターン追いかけていませんがUSBコントローラのSPDIFをI2Sに変換でしょうか。
中央のICはF0513と書かれていますがおそらくマイコンでしょう。LC89052TAのマイコン制御ラインに繋がっています。
DSPが隠れている部分へ何本か配線伸びているのでDSPの制御もこのマイコンがやってるのかもしれません。
ヘッドホン回路と電源周辺
マイクはスルーといいながらなんか回路があります。バイアス掛けてるだけかな?
DSPからのデジタル信号はDAC(WM8728S)で受けて2chアナログに変換後、ボリューム通してヘッドホンアンプに入っています。
ヘッドホンアンプのチップはAAX UARと書かれた16ピンのICですが詳細は不明です。
電源入力は5.2Vです。チョークコイルの後に電源ICがあります。

全体としては7.1ch入力をA/DでI2S変換、もしくはUSBからの2chをI2S変換されたものがDSPに入り、しかるべき処理後にステレオDACでアナログに戻してHPA経由で出力のようです。
PCからみれば、PCのサウンドカードでD/Aされて本機でA/DされてまたD/Aというステップになるので音質劣化は免れません。その割に結構いい音してます。
音質アップを図るのであれば7.1ch入力を全部デジタル入力にして直接DSPに入れてやればD/Aが一回になるのでいいかもしれません。ただ問題は7.1chでマルチステレオデジタル出力できるサウンドボードが現状見当たりません。
本機が5.1chのドルビーデジタル入力出来れば言う事なかったのですが・・・
サウンドボードを改造すれば出来なくも無いですが、そこまでする価値があるかどうか悩みどころです。

というわけでお手軽なら本機のA/D部分のアナログ回路の見直し、D/A部分の見直しあたりかなと思います。
DACの入力をパラで横取りしてSPDIF出力付ければ、お気に入りのDACとHPAに繋げられるので面白そうです。

LV-1.0 (5) 組立と使用感

というわけで個々の基板改造が出来たので一気に組み立ててしまいます。
配線材もキットに全て付属していますが、説明書に書いてある通りケーブルアセンブリしていかないといけないのが結構手間が掛かります。
(流石にコネクタのピン圧着はキットの時点でしてありますがw)
音声信号と対になるGNDをツイストしておきます。これがまた結構あってメンドイ・・・
なんだかんだで一日作業です。

途中経過だけどこんな感じで組み上げていきます。意外とケーブル短くて丁寧に整線出来ません。
端子配線は半田むき出しの加工が無いように熱収縮チューブなどで保護しておきます。

ちなみにLV-1.0で使っている基板間コネクタですが電源以外は日圧のPHシリーズを使っています。
PHは一度コネクタを差し込むとかなり強くロックが掛かるので、抜き差しを何度もするかもしれない場合はあらかじめハウジング側のロック爪を削っておくのもいいかと思います。
(ロック掛からなくても十分固定出来ます)

一通り組み上がったらテスターでチェックして通電です。
リモコンの電源ボタンを押すとOLEDの画面が点灯し、各基板のLEDが点灯します。
(分かってても初回電源投入で問題無く動くと思わずニンマリしてしまいますw)
スピーカに耳を近づけてもノイズは全く聞こえません。優秀です。
ちなみにスピーカはMonitorAudioのRadius90です。小型でとてもいい解像度のスピーカです。
ヘッドホンはインピーダンスの低い感度のいいヘッドホンを繋ぐと少しサーっというホワイトノイズが聞こえます。(CK-100PROだと聞こえる)これはちょっと残念です。ディスクリートということで期待していたのですが…

PCから音楽をいくつかスピーカ再生してみます。解像度のいいリッチな音がします。
小さな音や響きのいい余韻もしっかり聞こえ、気持ちよく聞いてられる音質です。

少しノイズのあるヘッドホン出力ですが、ノイズを無視すれば素晴らしい音です。
低音はハリがあり高音はキレイに響きます。普段使っているオペアンプ+バッファのお手製HPAより明らかにいい音です。
惜しむべきはノイズです。これは後々なんとか出来ないか対策してみたいところです。
ピアノソロなんかだとどうしてもノイズが気になります。これさえ無ければ・・・

PCからの再生ですがLV-1.0は標準でUSB AUDIO Class 1.0対応です。なので96kHz/24bitが最大の対応になります。
試しにPC側の出力を96kHz/24bitとするとOLEDに96kHzが表示され正常に再生されます。
USB基板のFX2マイコンのFWを更新すればUSB AUDIO Class 2.0も対応出来ますが、Windowsでは標準サポートされていないので専用ドライバがないと動作しません。残念ですがLV-1.0ではドライバは提供されていないのでClass2.0を使いたい場合はLinuxかMacを使う必要があります。

とりあえず192kHzも動くか確認したいので同軸デジタル入力を試してみます。
手持ちの機材が借用したUDT-1しかないので繋いでみますが音が出ません。
サンプリングレートを切り替えるとOLEDの表示は切り替わります。全く動いてない訳ではなさそう。
うーん、何故でしょう。OLEDの表示はSPDIFにもなっているし、周波数も切り替わってるので音が出ても良さそうなのですが・・・
デジタル入力が使えないといろいろ繋ぎたかったものが繋がらないので困ります。
追々調べてみようと思います。

総じて完成後の感想は
・落ち着いたデザインで長く使えそう
・音はいい。ただヘッドホンのノイズだけは気になる
・同軸デジタル入力が動いてない?
といった感じでしょうか。

これからいじり回しが楽しみです。

2013年5月27日月曜日

サラウンドヘッドホン (2) DR-GA500


ゴタゴタと書いたけど詰まるところ、バーチャルサラウンドヘッドホンを試してみたいので検討していたわけですw
ゲームでサラウンドを効かせたい。今のPCのマザーボードがMAXIMUS V GENEなのでオンボードサウンドが割といいものが付いています。

オンボードのSupremeFX IIIはRealtekのサウンドチップですが、ソフトウェアでクリエイティブのX-Fi機能がサポートされておりTHX TruStudio Proが使えます。
とりあえず試してみます。

音は出来るだけいいものを、ということでMBの光出力をお手製DAC+HPAに繋ぎます。
ソフト設定でヘッドホンを選択してサラウンドをONにし、各chのテスト音声を流してみます。
・・・・
結構ちゃんと分離してます。オンボード侮りがたし。
センターは前方に、リアは両耳の斜め後ろあたりに音を感じます。
ただ音像があまりはっきりしません。こういうモンでしょうか?


次にDR-GA500です。amazonでポチりました。あっという間に届きました。
恐るべし、amazon。ちなみに4gamerのレビューはこちら

DR-GA500の7.1ch入力はちょうどオンボードのSupremeFX IIIのアナログ7.1chと合致するので、そのまま繋いでみます。
オンボードサウンドのアナログ出力は全然期待してないのですが・・・思った以上にマトモです。ノイズも聴感上聞こえません。(プロセッサボックスのDP-GA500もホワイトノイズは付属ヘッドホンでは全く聞こえません。優秀)
PCのTHX TruStudio ProのサラウンドをOFFにし、スピーカ出力を7.1chに設定。DP-GA500の設定をFPSに設定。
各chのテスト音声を流すとTHX TruStudio Proとはまた違った音響効果です。音像がモヤモヤしにくいので個人的にはこちらの方が好みです。
ただ妙に低音が強調される雰囲気があります。高音もきつく音量を上げるとうるさいです。
原因はいろいろありそうです。PCの出力、プロセッサボックス・・・
次回へ続きます。

ちなみに一般的な2chソースの音楽を上記ヘッドホンで聞く場合は、THX TruStudio Proで7.1ch化しDP-GA500で2ch化することになります。
音は広がります。が、やはり元々が2chでマルチチャンネルの音源情報がないので全体的に不自然で場合によっては聞きづらくなります。
ポータブル音楽プレイヤでサラウンド掛けた時と似たような感じです。
やっぱりステレオ音楽はステレオで聞くのが一番よさげです。

サラウンドヘッドホン (1)

PCでサラウンド対応のゲームやBD(DVD)鑑賞してると一般的な2chステレオだと物足りなく感じます。
特にゲームなんかはサラウンド対応していると臨場感が段違いです。

スピーカを5.1ch分並べて視聴出来ればベストですが、家庭の事情や再生しているメディアの内容(?)などでスピーカから音を出せないという場合もあると思います。
そうなるとヘッドホンによるサラウンド環境となりますが、この場合はリアルチャネル対応とバーチャルサラウンド対応の2種類になります。

リアルチャネルは文字通りch分のドライバをヘッドホンに内蔵したものです。ドライバーが独立している分サラウンドは正確に表現出来そうですが、ヘッドホンという構造上耳元に複数のドライバがあることになるので距離感などがスピーカシステムと比べ不自然になってしまいます。
またch分のドライバーを駆動するアンプが必要になり、ヘッドホンも専用になってしまうため本格的にオーディオとして作るとかなりコスト高になります。実際リアルチャネルのサラウンドヘッドホンでオーディオ向けというのは見た事ありません。

対してバーチャルサラウンドは一般的な2chヘッドホンで5.1chの音声を擬似的にDSPなどで立体音響化して再生する方式です。途中にDSPが必要になるのがネックですが、一般的なヘッドホンが使えるという大きなメリットがあります。
もっともDSPで立体音響というのも簡単ではなく、いくつか一般的な方式があります。
まずソースとなる音源が2chなどの場合は・・・

 ・ドルビープロロジックⅡx / ドルビープロロジックⅡz
 2chや5.1chの音声を7.1ch/9.1chに拡張する。マトリックスを元に拡張したものらしい
 2ch音声の拡張はたぶん一番コレが普及してると思う
 ・dts Neo:6 / dts Neo:X
 2chや5.1chの音声を6.1ch/11.1chに拡張する。ドルビープロロジックのdts対抗版

こういった技術で7.1ch・11.1ch化します。
更にこれを2chのヘッドホンで立体的に聞こえるように難しい理論で音場変換します。

 ・ドルビーヘッドホン
 5.1chや7.1chの立体音響を2chに変換する。ドルビー製。オーディオメーカのはほとんどコレ
 ・VPT(Virtual phones technology)
 5.1chや7.1chの立体音響を2chに変換する。ソニー製。こんなの
 ・CMSS-3Dheadphone
 5.1chや7.1chの立体音響を2chに変換する。クリエイティブ製。ドルビーヘッドホンより音場が広い
 Sound Blasterに付いている。今はTHX TruStudio Proがそれ相当?
 ・DTS Headphone:X
 11.1chの立体音響を2chに変換する。DTS製。まだ製品は見かけない。いいらしい。

他にもバーチャルサラウンド技術はありますが、有名なのは上記あたりかと思います。
なんだかんだ製品は結構ありますが、同一技術を使った物はほぼ同じ様な音です。
パナソニックのRP-WF7やオーディオテクニカのATH-DWL3300、パイオニアのSE-DRS3000Cなど。
上記は全てドルビーヘッドホン技術なので似たような音場です。

ソニーのVPTやCMSSは独自ですが評価見る限りではどちらもかなりイイ様子。
CMSS(THX TruStudio Pro)はSound Blasterに付いています。Sound Blasterといえばあまりアナログ的にいい評判ありませんが、最近のはDAコンバータ外付けなどで悪くないようです。
VPTの対応製品はソニーのMDR-DS7500あたりがよさげですが結構高い・・・何かいいものは無いかとみていると既に製造中止ですがDR-GA500というPCと親和性高そうなヘッドホンがあります。
アナログ7.1ch入力という珍しいものですがPCのサウンドカード出力に合います。
お値段もそれほど高くなく、製造中止だけどamazonでまだ購入出来そうです。
それになんとなくいじり回せそうな気がしますw

ちなみにドルビーヘッドホンを試したい場合は上記メーカのサラウンド製品を買うのもアリですが、ASUSのXonarシリーズにも付いてるのでPCのサウンドカードというのもアリです。

2013年5月24日金曜日

LV-1.0 (4) ちょっと改造

一通り紹介が済んだところで組立ですが、いかんせんフツーのコンデンサとか気になって仕方ありません。
ぶっちゃけ音良くなるとかどうこう以前に変えないと気が済みません。

というわけで組み立てる前に部品交換です。素の音とかしりません~
ボリューム基板はコンデンサをOSコンに交換しちゃいます。
5V系は1500uF/6V、12V系は1000uF/16Vです。耐圧に余裕がないのでオススメはしません。
またC4,C3はデカップリングコンデンサですが、特にDCは漏れてないので思い切って無しとしました。
パワーアンプの電源基板のコンデンサはニチコンのMUSEに変更。4700uF/35V
DC/DC電源基板のコンデンサはニチコンのオーディオ用KTコンデンサとLF(固体)コンデンサに変更。青いKTがお気に入り
パワーアンプも同様にコンデンサをKTに。
フィードバック抵抗はタクマンのRLCに(抵抗1本\100とか…たっかい)
本当はLCフィルタを8Ω負荷に合わせて変えたかったけど、ちょうどいいLとCが入手出来そうに無かったのでこのままで。

正直なところ、コンデンサを交換することで大きな音質変化は期待していません。
分かる人もいれば分からない人もいる。そんな程度です。
でも基板の見栄えがとても良くなったので気分的にとてもいいですw

LV-1.0 (3) 各基板紹介

各基板の紹介です。
基板は全て実装済みで、そのまま組み立てるだけなら手を入れる必要はありません。
ちなみにトラ技のHPにある各基板紹介はプロトタイプのようで実際に販売しているマルツ製品とは違います(いいのかトラ技)

システムマイコン基板 LV1-SMBM
OLED(有機ELディスプレイ)が付いています。マイコンはCortex-M3 ARMマイコン LPC1343
開発ツールが無償で公開されているので扱いやすいマイコンです。

DC/DC電源基板 LV1-DCDCM
DC/DCとありますが実際にはAC18V入力です。±12Vのレギュレータが2系統と5Vのスイッチングレギュレータ回路1系統を一つにしたものです。
高価な基板キットの割に電源はフツーです。

AC/DC電源基板 LV1-ACDCM
ブリッジダイオードと平滑コンデンサだけのシンプルな電源基板、パワーアンプ用です。
使われているコンデンサはフツーのコンデンサです。

USBインタフェース基板 LV1-USBIM
本機のキモ、というか一番面白い部分。USBインタフェース基板です。
USB制御はFX2マイコンで行い、FPGAで差動I2Sに変換しています。
デジタル入力もあってSPDIFのレシーバにAK4118Aが使われています。
ちなみにこの基板の設計はUSB AUDIO基板で有名なElectrArtさんです。

DAC基板 LV1-DACM
ある意味無難だけどあまり面白みの無い部分。DACです。
PCM1795をソフトウェアモードで使っています。
I/VとLPFはNJM2114が使われています。
赤いWIMAのフィルムコンデンサが目を引きますが、それ以外の電解コンデンサはフツーです。
ちなみにI/V手前とLPF出口に4pinのヘッダコネクタがあり、その気になればI/V部分を自分で設計して差し替え出来そうです。
あと別にいいんだけどオペアンプにパスコンがないよ…

ボリューム/メーターアンプ基板 LV1-VOLM
電子ボリューム基板。
電子VRにはシーラスロジックのCS3310が使われていて音質的に期待出来そうです。
あとマイコンでレベルメータ表示を実現するためにメータアンプが付いてます。
トラ技の基板紹介ではこの基板がかなり違います。

パワーアンプ基板 LV1-PWAM
定格出力4Ω負荷で100Wというパワフルなデジタルアンプです。
1枚で1chで本機にはこれが2枚使われています。
効率が95%にもなるため、発熱源であるMOS-FETの放熱は基板パターンのみとなってます。
(フルパワー100Wを連続運転すると5W発熱するので基板放熱だけでは持たないでしょうが、実際にフルパワー出力をずっと続けることはないので問題ありません)
コントローラはIRS2092、MOS-FETはとIRF6645です。Direct-FETとかいうパッケージのようで特殊なパッケージになっています。
基板は基本的に面実装部品ばかりですが、音質に影響の大きいフィードバック抵抗はラジアル抵抗になっていてコダワリで交換しやすいようになっています。

ヘッドホンアンプ基板 LV1-HPAM
オペアンプを使わずディスクリートで組んだヘッドホンアンプ基板です。
この基板だけ買って単独でヘッドホンアンプ作っても面白そうです。
音質に影響を与えやすい終段のトランジスタのエミッタ抵抗を無くすためにトランスリニア・バイアス型という回路構成を採用しています。
…基板パターンは左右でch毎に分かれて美しいのですが、空きスペースの割にGNDのパターンが少なすぎるように感じるのは自分だけでしょうか。
また出力のDC保護やポップノイズ対策は本基板にはありません。
トラ技の連載で紹介されていましたので、後で自分で付けないって事でしょうかね。

基板は以上ですが、こうしてみると赤い基板やら青い基板、黒い基板、白い基板とバラバラで統一性無いですね。せめて同一セットなんだからこの辺りは統一して欲しかったです。

LV-1.0 (2) 到着

というわけでまずは物の確認です。

LV-1.0自体はコンパクトですが一式で買うとこんなでっかい箱で届きます。

空けるのが楽しみです。

中身はこんな感じで各基板毎にパッケージされてます。
全部開封していくだけでちょと手間です。大量の梱包ゴミが・・・
当然ながらマニュアルも各基板毎に付いてます。
セットパッケージならもうちょっとスマートにしてほしいです。はい。

LV-1.0 (1) 紹介

かれこれ1年ほど前になりますが、トランジスタ技術(トラ技)で特集されていたLV-1.0というデジタルオーディオをキットで購入しました。


フルセットのLV1-ALL-KITで\69,800です。キットとしては高価な部類にはいると思います。
USB接続のDAC(D/Aコンバータ)でスピーカ出力とヘッドホン出力があり、全体制御をOLED付きのマイコンで制御するという本格的なキットです。

USB-DACは個人でもキットを配布したり、市販の基板キットでもいろいろ出回っています。
その中でもLV-1.0の特徴はというと…

・USBインタフェース部分が専用コントローラを使わずFX2マイコンとFPGAで構成
・DACはPCM1795でマイコンから制御
・アナログ的なボリュームやスイッチは無く、全てリモコン経由のマイコン制御でコントロール
・内蔵のデジタルアンプはFET一体型ICではなくコントローラIC+外部回路で構成
・ヘッドホンアンプはオペアンプを使わないフルディスクリート回路

こんな感じでしょうか。
技術者向けのキットなので機能毎に基板が分かれており、好きなように組換え・改良が出来るのもポイントです。
勿論そのまま組み立てても十分いいものが出来ますが、やはり自分の思うように改良してナンボでしょう。

何回かに分けて組立、改造など紹介していく予定です。

ブログ開設

いろいろ書きたい事があるけど中々まとまらない。
そんなわけでblogを始めてみようと思います。

まったりとお付き合い下さいませ。